
秘湯の一軒宿

『たんげ温泉 美郷館』は、群馬県中之条町のJR吾妻線中之条駅から車でおよそ20分のところにある、情緒溢れる山里に佇む宿です。
わたしは埼玉からえっちらおっちら車で行きました。

周辺に他に宿はなく、まさに秘湯の一軒宿。
静かな里山で体と心を十分に癒せそうです。
こちらの旅館は秘湯を守る会の会員旅館です。

こちらのお宿には趣向を凝らした風呂がたくさんあるので、とても楽しみにしていました。
総欅造りの圧巻のロビー

玄関を入ると圧巻の総欅造りのロビーがお出迎えしてくれます。
当代一の江戸木挽き職人が挽いた樹齢300年~500年の欅で作られているそうです。


材木商が建てただけあって、こだわりのある贅沢な造りです。
歩いているとふわっとやさしい木の香りがします。

部屋『楓の間』

今回泊まった部屋は二間の部屋で滝に面した旧館1階の「楓」という部屋でした。


8畳+6畳(ユニットバス付)です。
8畳の部屋で食事をいただき、食事の最中に隣の6畳間に布団を敷いてくれました。



冷蔵庫の中身はこんな感じ。
茶うけの菓子は開運福だるま。

飲み物の価格も良心的です。


温泉を楽しんだのでユニットバスは使いませんでした。


トイレのペパーホルダーカバーに漂う自宅感 笑笑


部屋から見える滝。
木が少し支障になって全景ではありませんでした。

部屋から見えるライトアップされた滝。
支障になっている木の存在感が増しました 笑
隣が「滝」という部屋でおそらくここが滝の正面です。「楓」は少し斜めから滝を見られる感じです。

クチコミで川の瀬の音が気になる、という声を見ましたが、この部屋は二重窓になっていたので窓を閉めてしまえば川の瀬の音は気にならなかったです。

鍵は2つ。
キーホルダーから外せますが、外すと鍵だけになってしまうので無くさないように注意してください。
趣向を凝らしたお風呂を楽しめる

お風呂は全部で6カ所あります。
わたしは欲張って全部のお風呂を制覇しましたが、ぜったいに入った方が良いお風呂は
明るい時間の瀬音の湯と滝見の湯(正面の時間)です。

総檜造りとステンドグラスが特徴の内湯『瀬音の湯』
石造りの野天風呂『月見の湯』
無料の貸切露天風呂『宝泉の湯』(2ヵ所)
滝を借景にした内湯『滝見の湯』(2ヵ所)
貸切露天風呂の宝泉の湯(2ヵ所)を除いて19時に男女入れ替え制です。

滝見の湯は24時間入れますが、それ以外の風呂は夜は22時まで、朝は6時からです。
GWでほぼ満室でしたがたくさん風呂があるので、混雑したことはなく、快適に湯につかることができました。

温泉としての匂い、効能、などはあまり感じられませんが、鳥のさえずりと瀬の音しかないような静かな山里で趣向を凝らした風呂を楽しめるのではないでしょうか。

日帰り入浴、立ち寄り湯はできないので、こちらの温泉に入りたい場合は宿泊してみてください。
瀬音の湯

↑日中の写真です。
こちらのお風呂は日中の時間帯であれば日の加減によって様々な表情を見せてくれそうです。

ステンドグラスと総檜造りの浴槽と立派な梁が特徴の風呂です。
この風呂は明るいうちに入ることをおすすめします。

総檜の浴槽に上流の川の瀬を思わせる角の取れた手のひら大の丸石が敷き詰められています。
足裏に当たる丸石がやさしく、川遊びを彷彿とさせる感触です。

ステンドグラスからのやわらかい光の差し込みと浴槽から立ち上がる湯気をいくらでも見ていられます。おかげ様で長湯してしまいました。
檜風呂のボルト隠しにクワで作れられた木製の彫り物が嵌め込まれています。



カエル・カニ・カメ・カイ・カタツムリ・カッパと『川』の『か』の字がつく生き物を縁起担ぎに置いているそうです。



だいたい10年くらいで新しい彫り物に替えているとのこと。
夜に入った時には暗くてカッパが何かわからずひとしきり考えてしまいました。
この彫り物を替える時にお客さんに「欲しい」と言われることがあるそうです。
そんなに数がないので女将さんはさぞお困りでしょう 笑
確かに温泉成分がついた年季の入ったこの木製の彫り物は縁起が良さそうでなんだか欲しくなってしまいますよね!
欲しくなった人はこのお宿の常連になってから頼んでみてください 笑

浴槽のフチにある木枕は外せて好きな場所に設置できます。

脱衣場とつながっている湯上がり処のテラスにブランコがあり、なんだかわくわくしてしまいます。
大人でも乗りたくなってしまうシチュエーションのブランコ。



ばばぁもしっかり楽しんできましたとも!
5月のまだ少し冷たい外気が長風呂で温まりすぎた体をふわりとかすめて通り過ぎていく感覚がなんとも気持ち良い。
最初に明るいうちに入ることをおすすめします、と書きましたが、こんな理由です。


夜は暗くてステンドグラスの良さが・・・
夜は外からライトアップとかしてくれたら素敵なのではないでしょうか。
湯上がり処も真っ暗けっけ!

朝が一番キレイでした~
そういえば瀬音の湯のアプローチに飲泉できる場所があります。
入ってすぐ左手です。


手水??飾り??と不思議に思い仲居さんに聞いてみたところ、飲泉で間違いないとのこと。
「あれ?コップ置いてありませんでしたか?」って言われましたが、コップなかったです。
コロナだから置いていなかったのでしょうか。
試しに飲んでみましたが、まろやかなぬるま湯でした。
滝見の湯

この風呂は昼と夜2つの表情を見せてくれます。日中の滝見風呂は木々の新緑の中白い滝のしぶきと蒼く美しい川の色が印象的です。

日が沈んだ後は、暗闇の中ライトアップされた滝が幻想的にぽわりと浮き上がって周囲とは一線を画す様子を眺めることができます。
いずれにしても風呂の窓が額縁のようで美しい絵画を見ているようです。
滝見の湯は2ヵ所あり、19時入れ替え制です。
滝に向かって滝見の湯が2つ並んでいて、その2ヵ所で入れ替えになります。
一泊2日の旅行であれば、滝が真正面に見えるメインの方の滝見の湯は
女性は初日、チェックインから19時まで。
男性は初日19時~22時、翌朝6時~10時まで。
となります。
日の入りの時刻と19時に入れ替えということを考慮すると5月から9月くらいまで女性は夜の滝見の湯を真正面から見られないと推測されます。
5月のこの時期昼と夜の両方メインの滝見の湯を楽しめるのは男性なんですね~
いいなぁ~
宝泉の湯

無料の貸切露天風呂で2ヵ所あります。

予約不要で空いていれば入れます。
時間はチェックインから22時まで、翌朝6時から10時まで。

露天風呂の内鍵です。
形からリスの尻尾かと思いましたが・・・よく見ると甲羅のような・・・亀?でしょうか?

洗い場はありません。
檜風呂と岩風呂です。
いずれも川沿いにあるので早瀬を聴きながら湯に入れます。

無料でそこそこの広さのある貸切風呂があるので、子連れやカップル、同性同士のグループ色んな層で楽しめる温泉宿だと思います。

露天風呂からすぐに川を見渡せます。
たんげブルー。川の水の色が美しい。
そういえば宝泉の湯のトイレに鍵がなかったような??
トイレの中に入ると正面に男性用の小便器、右手に個室トイレがありますが、入ってすぐの扉にも個室の扉にも鍵がなかったような・・・
え?鍵がない??と思い、火急であったため瀬音の湯のトイレに走ったのでよく見なかったけれど、気のせいだったのか今更になって気になっています 笑
月見の湯

岩造りの野天風呂です。
そこそこの広さがあります。
こちらも川沿いにあります。

美郷館の夕食

コースとしてのまとまりや料理の華やかさに欠けている気がしましたが、一品一品は美味しくいただくことができました。
日本酒をいただきながら堪能しました。


シチューのパイ包み。
なぜ・・・シチュー・・・
群馬の旅館あるあるその①
魚は鮎か岩魚か最高級ニジマスギンヒカリ
こちらのお宿は岩魚でした。
川の下流で放流している岩魚だそうです。

群馬の旅館あるあるその②
なぜかマグロが美味しい

群馬の地場の刺身こんにゃくも冷たくてぷりっぷりで美味しかった!
串にささっているのが刺身こんにゃくです。

上州牛ステーキ。
焼き加減も柔らかさも良くて美味。

お酒は地酒の貴娘をいただきました。
甘さ控えめですっきり目の味で美味しかったです。
白飯と汁物は最後に出てきますが、お酒を飲みながらご飯食べたい稀有な性質のわたしは仲居さんにお願いして最初に白飯と汁物も持ってきてもらいました。
しかし貴娘、どこかで買って帰ろうと思っていたのに忘れてしまいました・・・



料理は美味しいです。
でも田舎料理とか地産地消みたいにテーマ追求型のまとまりのあるコースにしたら食べる方が楽しいような気がします。
お品書きはありません。
仲居さんが説明してくれても、食べている途中に「コレって何だっけ?」ってなるので、食事を楽しむためにお品書きって意外と大切なんですよね。






色々書いたけれど、くれぐれも一品一品の味は美味しいです!
量はかなり満腹!
食後すぐに食べすぎ用の胃薬を飲みました!
朝の散策

朝は6時起きで起きたらすぐに温泉!
瀬音の湯に行きました。
昨夜見られなかった美しいステンドグラスを堪能して、その後朝食の時間まで周囲を散策しました。

朝日を浴びた川の水がキラキラしています。
清流というに相応しい美しさです。

日差しを浴びた木々の新緑の息吹と頬をかすめるさわやかな風に朝からなんとなくワクワクします。
美郷館の朝食

朝食は7時半か8時で選べました。
早起きなのでもちろん7時半にしました。
焼き物が鮎の一夜干しです。
少し小さ目だけど、稚鮎というには大きいかしら?
頭からバリバリ食べて朝からカルシウムチャージ完了!です。
朝もたくさん、美味しくいただきました~
しあわせ~
お土産処『木工館』

8時半から10時の間のみ営業しています。
お土産、工芸品を販売しています。
「喫茶」とも書いてありましたが、どうなんだろう、ほとんど喫茶としては営業していないような・・・






上州彫で掘った木彫り細工の工芸品とお土産が置いてあります。
お店にいた80代のおじいさまがHPに書いてあった木彫刻家の関木酔氏かな?

フクロウの木彫りがありました。
フクロウは不苦労(くろうしない)という縁起物で我が家のマスコット的存在なので記念に購入しました。
エゴノキで作ったそうです。
右奥のふくふくしたかわいらしいフクロウを選びました!
ちなみに風呂にある木彫りもこちらのおじいさまが作ったそうです。
10年ごとくらいにに新しい木彫りに替えているそうなので、長生きしてずっと素敵な木彫りを作っていただきたいですね。

ついでに沢田の味を発見したので大大大好きな沢田の鉄砲漬けも購入しました。
この鉄砲漬け、ピリ辛でホント美味しいからおすすめですよ!
チェックアウト

チェックアウトした時に「お守りです」と木札をいただきました。

七福神の布袋様と弁天様です。
かわいい木札ですね。
ありがとうございます。
とても居心地の良いお宿でした。
群馬県のお宿は星ヶ岡山荘がお気に入りのお宿でしたが、美郷館もお気に入りのお宿になりました。


帳場でも少しお土産を置いていました。
干し芋推しです。
昔懐かしの玉豊でした。
【ここから予約できます】 |
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