看護師を目指したきっかけ
もう10年以上前のお話。
リーマンショック前の夏、為替のドル円相場が124円まで上がり誰が最後のババを引くかチキンレース化し、世界が全世界同時株安という経済の危機に直面し始めた頃の話。
わたしは離婚の危機に直面していました。
当時わたしは派遣社員という不況が来れば吹けば飛ぶくらい不安定な身分で働いていました。
離婚話が進んでいる最中は世界同時株安も相まって、精神的に本当に辛かったです。
どうして生きていかないといけないのだろう、と考えたりしていました。
とにかく未来が不安で仕方なかったです。
当時の目標はいかに慰謝料をたくさんもらうか。
こんな悲壮感漂う中にあっても目標があれば邁進できる性質のわたしは、目標達成で破格の慰謝料をもらいました。
実母をドン引きさせるくらいの酷い慰謝料交渉をしたみたいです。
でも、ざっくり抉られた心の傷には慰謝料はなんの役にも立ちません。(後に十分役に立ちましたが)
何の保証もない派遣で働いて、このままでは不安!
何か手に職をつけないと!
兎にも角にも!
わたしには自立して一人前にならないといけない!
という人生の命題に齢35歳にもなって直面してしまったわけです。
離婚により実家に帰り、昼夜問わずわんわん泣く情緒不安定の姉を見るに至り哀れに思ったのか、妹から短絡的かつ現実的に提案されたのが
東京都立看護専門学校の社会人入試
への道でした。
そういえば亡くなった祖母も看護婦だったな~
なせ都立看護専門学校なのか
それは学費が激安だからです。
今は少し上がっていますが、当時は年間の学費が
24万円程度
でした。
離婚して会社を辞め看護学校に通うにはお手頃のプチプライスです。
これが後に円形脱毛症ができるくらい後悔するブラック看護学校生活の起点です。
看護師の転職ならジョブデポ看護師社会人入試に必要なもの
妹から都立看護専門学校の社会人入試枠を教えてもらい調べてみることにしました。
社会人入試に必要になるのは
●自己推薦書(400字×3枚)
●試験時の小論文
●面接
いぇーい!ラッキー!!
一般入試と違い英語とか数学とかの試験はありません。
単純なわたしはこれだけで大喜びしました。
だって、今更、英語も数学も勉強するとか無理すぎます。
都立看護学校の偏差値は意外にも低く55~58くらいですが、15年くらい勉強していないわたしには普通に無理。
だから社会人入試一本に絞って、一般入試は受験しないことにしました。
入学後にわかりましたが、社会人入試で不合格だったから一般入試で試験を受けて入学した、という社会人も数人いました。
リーマンショック後だったので、社会人にとってもそれくらい厳しく行く末を考える時期だったのかもしれないです。
願書滑り込みセーフ!
看護師になれる! オンライン国試対策講座妹から社会人入試の話を提案されたのが9月初め。
社会人入試の願書締め切りが9月中旬頃。
願書締め切りまで2週間くらいしかありませんでした。
願書と一緒に提出する住民票などの書類を揃える一方で
自己推薦書(400字×3枚)という大仕事を仕上げなければなりません。
自己アピールみたいなものですね。
自己アピール書くのと、寒空の下2時間来ない友達を待ち続けるの、どっちか選べと言われたら、間違いなく後者を選ぶくらい苦手です。
たとえ”事故”アピールになったとしても、書かなければならないものは仕方ありません。
当時はテレマーケティングの仕事でオペレーターをしていたので、そのことに絡めて自己推薦書を書きました。
キーワードは『傾聴力』
わたしは今、電話を受ける仕事してて、お爺ちゃん・お婆ちゃん・高圧的なおじさん・ぎゃーぎゃーキンキン叫ぶおばさんとか色んな人がいて、言ってることとかよくわかんないこととか多いよ!
でも得意の『傾聴力』活かしてお客さんの希望を聞いて注文受けてるよ!
どんな仕事でも聴く力って大事だよね!
みたいな事をもっとオブラートに包んで、綺麗な言葉で飾って、自己推薦書として書いて出しました。
自己推薦書も含めて書類が全部揃ったのが願書締め切りの3日前くらい。
滑り込みで願書が間に合いました!奇跡!
最近ハマってるYouTube。
看護師ってホントどくだみ茶絞ったみたいな味がしそうな感じの人が多いからウケル
コメント
はじめまして、こちらのブログ初めて拝見させていただきました。
『後に円形脱毛症ができるくらい後悔するブラック看護学校生活の起点』
と書かれていたのですが、実際に看護師になられてからはいかがですか?
私は35歳超えていますが、今後なくなる職業が多いなどを踏まえ医療系の仕事につくために看護学校に入ろうか‥と検討しております。
看護師の性格は気が強いなというのは、看護師をしている人たちを見て分かるのですが実際に仕事をしていかがでしたでしょうか
参考に聞かせていただけましたら幸いです。
cさん初めまして!
1年以上続けているブログですが、cさんのコメントが初コメントになるので
張切って返信させていただきます!
実際に看護師になって・・・
わたしには向いていなかったな!
というのが率直な感想です。
看護学校も病院も無駄と理不尽の塊です。
看護学校時代は円形脱毛症を作りながら、なんとか乗り切ってきました。
ハゲが3つできた時点で看護師には向いていないと薄々感じていましたが
悪あがきで就職してしまいました。
こんな事を書くとどんな落ちこぼれ看護学生かと思われるかもしれませんが
意外と成績は良かったんですよね。
社会人経験があると当たり前に気が利く部分があるので、何人かの看護教員からは
看護師に向いている、と言われていました。
でも実際入職してみると
アルコール消毒で手の皮がずる剥けになり心で泣く
9時の夜勤明け後のサービス残業が14時までで意識消失
急性期病棟勤務で、マンパワーが全く足りておらず、新人へのフォローがほぼなくて孤独
連日のサービス残業と加齢による記憶力の低下が相まって薬の名前と効用が覚えられない単なるアホ
とか、もう枚挙に暇がないくらい色々な理由ですぐに退職しました。
看護学校時代の社会人の同期の中には慢性期病棟でのんびり続けている人もいるので、
わたしはまず就職先選びに失敗したのかもしれません。
あまり役に立たないような体験談でごめんなさい。
でも看護師は向き不向きが絶対にある職種です。
わたしのように安易に学校に入学すると時間の無駄になる可能性もあります。
体力面でのタフさ、精神面での良い意味での鈍感力、
それからお金のため!という揺るぎない割切りがあればなんとか続けていけるように思います。
よく自分の適性を見極めてから進路を決定されることをおすすめします。
ご返信できておらず申し訳ございません。
また、ご丁寧にご返信いただきありがとうございます!
実際に学校へ行き、就職したご経験のお話、大変参考になります。
本当に、本当にありがたいです。
ご返信いただいた内容を拝見しますと、現在は看護師ではない仕事をされているということでしょうか。
また、円形脱毛症は勉強の大変さで発症されとのでしょうか。
色々と質問をしてしまい申し訳ありません。
時間もお金もかかることですし、
自分の適性を見極めて決定したいと考えております。
cさんこんにちは!
臨床をすぐに離れた後は看護学校で働く前にしていた仕事に戻りました。
前とは違う職場でしたが、コールセンターのインストラクタとして育成の仕事をしていました。
今はその仕事も辞めていますが、実は現在、看護師として保健所のコールセンターで短期で働いています。
コロナ特需とでもいいましょうか、時給は2000円以上なので、ちょっと出稼ぎという感じです。
ペーパー資格ですが、あれば役に立つものなのかもしれません。
ハゲができたのは勉強が大変、というより、実習で気を使いすぎていたからだと思います
勉強は看護師の国家資格合格率90%からもわかるように、そんなに難しくはありません。
勉強から離れている社会人にとって、最初にキツイと感じたのは80分の講義です。
80分も机と黒板見て座ってないといけないとか、よく考えたら拷問みたいですよね。
でも、これはなんとか乗り切れます。
問題は実習です。
実習ではほとんど年下の看護師から指導されます。
そんなの指導してくれる看護師もわたしも気を使いますよね~
学生の指導看護師はだいたい若い看護師で、仕事に自信を持ち始めた当たりの強い人が多いです。
わたしがブログの中でリンクを貼っているYouTubeのあぃりDXさんが、嫌な看護師さんのことをマネている投稿をしていますが、本当に、本当に、冗談抜きでステレオタイプにあんな感じの人が病棟に数人いるような世界です。
自分も同じ様に教育されたから、学生にも同じように対応しているんでしょうか。
言い方ひとつで印象は大きく変わると思いますが、普通の言葉を煮詰めて煮詰めて、どうしたら相手(学生)にダメージを与えられるか考えて発言、指導する看護師と対峙しなければならない時がが必ずあります。
とにかく看護学生のことを心ある人間として対応していないような感じです。
(ものすごく少ない確率で天使のような人もいますが)
わたしは嫌な言い方ですがソツなくこなしてきたので、嫌な言い方をされることはあまりなかったです。でも、報告の際に一緒のグループの同級生が嫌な言われ方しているのを聞いたりするのが苦痛で苦痛で・・・
明日は我が身と思うと地味に削られていく感じがするんです。
それから患者さんも看護学生の実習に同意して、若い女の子が担当になるって思ってたら、
アラフォーのババァが看護学生ですって挨拶にきたら、びっくりしますよね!笑
とにかく、実習中は全方位に気を使って、できるだけ目立たないように透明人間になった気持ちで行動していました。
その上、記録を手書きさせられるので本当にキツイです。
わたしは徹夜をしたことはないですが、苦手な人は徹夜して記録を書いている人もいました。
実習は本当に大嫌いでした。
もしcさんがコミュニケーション能力に長けていて、人から多少強く当たられたり、嫌味を言われても意外と平気!
っていう人なら全然問題ないと思います。
半面、心の病を抱えている人は何人か退学していったので、看護学校生活を乗り切るのはちょっと難しいのかな~と思います。
看護師の資格を取得して一番役に立ったのは義母の在宅介護です。
脳神経内科の急性期で介護度が高い患者さんを看護していたので、義母の介護は
ためらうことなくできました。
在宅で吸引したり、モルヒネなどを使い義母を看取れたので、看護の勉強をしておいて良かったな~と思いました。
個人的にはアラフォーになってからの看護師への道はおすすめしないと書きましたが
もちろん看護師として生計を立てている同級生もいます。(皆わたしより年下ですが)
不可能ではありません。
実習の嫌な部分を強調して書いてしまいましたが、実習だって毎日あるわけではないので
割切ろうと思えばなんとかなると思います。
人生に失敗はつきものともいいますし、わたしは看護師は性に合っていませんでしたが、
看護学校での数年間は人生の中で良い経験になったし、後悔はしていません。
自分の中で行き詰っている何かを打開するために、無謀に見えるようなことに
チャレンジしてみてもいいのではないかと思います。
ご返信いただきありがとうございます。
知らない私のためにこんなに色々と書いてくださって、本当に感謝です。
今後も医療系の仕事は需要があるので、看護師の資格は価値のある資格だと思います。
大変な思いをされてきたのはとても伝わってきましたが、社会情勢的に何かあったときも、今後も持っていてよかったと思える資格だと思いますので、社会人になり看護学校へ行くと決めてやり遂げたのんたまごさんは素敵です。
そして、しっかりと一般的な視線を持ち合わせていらっしゃいますし‥
今後、私がどのようにするかは
もうちょっと考えてみたいと思います。
貴重なお話を、本当にありがとうございました。